お米と金曜日

残しておきたい感想なんかを書くブログ。妄想多め

スター☆トゥインクルプリキュア 第二話 の感想

あなたはあなた。過去もデータも関係無い。

ポジティブの一等星に背中を押され、自らも奇跡の星を掴めるか―。

運命の天の川を超え、目覚めよキュアミルキー!!

そんなスタプリ第二話の感想です。

・宇宙からのオトモダチ☆ キュアミルキー誕生!

いやー二話も良かったですね~。どんどんスタプリを好きになってきました。キャラが非常に「生きてる」シーンが多くて応援したくなってしまいますね。

さて今週はララちゃんのキュアミルキー変身回。先週伝説の戦士へと相成ったひかるちゃんに対して負い目なのか嫉妬なのか、とにかく羨ましがっていた様子の羽衣ララ氏。彼女がプリキュアになるまでの過程を追いつつ、「なぜ星奈ひかるは主人公でキュアスターなのか」を見せる回だったように思えます。

・シリーズ初の宇宙人プリキュア

変身回なので当然メインカメラはララちゃんを映していくわけですが、中々にあざとい立ち回りが多かったですね…。

まずあの便利な触手!ロケットは動かすし、物は持てるし電気も出せる。感情も表れるみたいで今後も色んな表情(?)をみせてくれそうです。触覚とかはあるのかな…?

そう言えばopの指ツンシーンはどうやらサマーン式挨拶だったようで。触手をくっつけて電気信号を送りあって、感情を直に伝えたり体調に異常が無いか確認したり出来るんでしょうか…。すごい触手だ…。

話を戻すと私はこの挨拶やっぱり好きですね。異星式の挨拶をすんなり飲み込むひかるちゃんの順応性と好奇心、身体的差異をポジティブな交流に使うメッセージ性、音声でなく接触で行う挨拶の独特の間合いとそれを行う二人の親密さの度合いなんかが読み取れて、作品のテーマをギュッと濃縮した大変エモいアクションだと思います。仲良くなっていくうちにこのサマーンアイサツがよりエモーショナルな使い方をされるのは明白なので(半分妄言)、これからの変遷を見守りたいです。

触手もそうですが語尾の「ルン」とか、叫び声の「オヨ~~~!!」とかも、何か変だけど可愛げがあるという「親しみやすい宇宙人」感が出ていて良かったです。個人的に変な語尾とか声が好きだという部分もありますが。(大体某アイドル・アニメのせい)

地球換算で生まれて14年弱しか経っていないララちゃん。しかし惑星サマーンでは既に成人とのこと。彼女の責任感なんかはこの「自分は成熟した社会人である」という自負に大きな足場がある気がしますね。とはいえ地球ではまだ中学生の年齢で大人扱いとは…。よほど教育の効率が良いのか、細々とした事務仕事なんかはAIがやってくれるから機械と触手の扱いさえ覚えれば働けるのか、あるいは寿命が短い種族で生きるペースが早いのか、あるいはコーディネーター技術やデスティニープランみたいなものがあってそもそも「教育」に比重を置く必要が薄いのか、あるいは……(妄想に耽る)。

やはり個人的な興味が尽きない子であります。

あと顔が良いね(小声)。

そんなこんなで視聴者というか私の好感ポイントを荒稼ぎしていたララちゃんですが、データキャラの宿命か未知に弱く悩みを抱え込むタイプであった故、前半は曇り顔が多かった印象。

ここでちゃんと「私がプリキュアになれる確率は絶望的だ…。ひかるを分析しても理由はさっぱり分からない…。」と下げておくことで、「これは私の奇跡!」と晴れてキュアミルキーのお披露目になったときの「やったぜ!」が視聴者とララちゃんの間で強くシンクロするわけなのです。やっぱりカタルシスのための溜めの時間は大事。

・ひかるの主人公力、あるいは人格の強さ

今回は悩める宇宙人フレンズのサポートに回っていた我らが主人公ひかるちゃん。後ろに回ることでララちゃんを鏡により彼女の立体感が増していましたね。

相変わらず衝動が先に走って常識定石なんのその、ララちゃんと横に並べて「どっちが宇宙人だ!」と聞かれたら思わずうーんと悩んでしまいそうなほどパワフル(控えめ)なひかるちゃんですが、やはりこの子ただの能天気ではない。

プルンスに匿ってと言われウチにおいでよと即答する懐の深さ、即座に「ララちゃんもね!」と付け加える視野の広さ、祖父にはきちんと社会的常識に則って接するTPOの弁え方、序盤で既にこれだけ描写されてましたね。特に祖父への対応は「怖いくてうるさいし…」みたいなネガティブな感情ではなく、「年上で家族だから、祖父が大事だと言う礼節も尊重しよう」みたいに前向きで自発的な良心に従ってる雰囲気があって好きです。ええ子や…。

地味に「父の書斎でした」とお父さん伏線が張られていましたが、ひかるちゃんのお父さんはどんなポジションで登場するのか。ラスボスかな…。

自分がご飯を食べれば当然プルンスとララも食べるだろうと気がつくわけで、ひかるちゃんは普段の破天荒と裏腹に周囲への視力が高い。とはいえ見えるからと言ってその全てが理解出来るほど知能派でも無いので、おにぎり差し入れシーンは「プリキュア……」って羨望の眼差しを向けてくるララちゃんに気づかないわけです。

それでもララちゃんの方から悩みを打ち明けられれば「そっか!ララちゃんもプリキュアになりたいんだ!」と喜び勇んで相談に乗ります。ララちゃんが「データ上は起こりえない!今までそんな例はない!」と叫んで未来が見えなくなっているのが分かれば、持ち前の視野の広さを活かして「過去は過去、今は今。そしてあなたはあなた」と自分の景色を教えてあげるわけです。ひかるちゃんは眩しいね…。(二回目)

この辺のひかるちゃんの美点はもちろん映像での描写もしっかり積まれているわけですが、個人的にその説得力を支える一端に声があると思います。つまり中の人の演技。星奈ひかるというキャラクター性から見て、これ以上無いっていう声に感じております。成瀬瑛美さんは今回ひかるちゃんを演じられるまで存じ上げなかったのですが、経歴を拝見して正に星奈ひかる!!って感じの人柄で「こりゃぁハマり役になるわけですよ…」と深く納得しました。今回で言うとララちゃんに「データは絶対なの!」と言われた後の「そうかなぁ…?」のセリフとか素晴らしかったです。声も演技も好きなので今後もこっそり応援していきたい所存でございます。

・わたしの成りたいわたし

ひかるちゃんからララちゃんに勇気のバトンが渡ったら、「本当に受け取った?ちゃんと自分のものにした?」と確認しにカッパードさんがやってきました。お仕事お疲れ様です。

中盤に「水浴びして皿の潤いもバッチリ!」ってお茶目キメてたり、台詞選びが無駄に(不必要というより過剰に)かっこよかったりでやっぱり私あのかっぱさん好き。

バトルパートに移ってキュアスターになってもやはりひかるちゃんは強い。単純に戦闘力という意味でも早速技のバリエーションが増えてたり、初の地上戦闘も難なくこなしたり高得点を出していたけれど、今回目立ったのは「私がプリキュアとして皆を守るよ!」という冒頭の約束をしっかり果たすため奮闘する姿勢そのものだった気がします。

戦うことに恐れやためらいが無いわけではない。それは変身前に挟まったワンカットの表情で上手く描かれていました。それでも今私はプリキュアだから。守ると約束したから。即座に覚悟を決めて変身するひかるちゃんは偉かった。ちょっと唐突感のあった歌唱変身も早速二週目で馴れたのかミュージカルみたいなテンションで盛り上がれました。

矢面に立って敵の戦闘員を蹴散らし、かっぱさんの魔の手がフワとララちゃんに迫れば傷だらけになっても駆けつけて、意地でも手は出させない。誰に決められたわけでもなく、ただ自分の思いに正直に―。本当にキュアスタープリキュアで主人公ですね。

ここで意外にも株を上げたのがプルンス。戦闘員が襲い来る中、十本足でしっかりガード。余った足でフワララを逃してのける根性を見せました。やるな貴様!

自分の可能性を信じてと伝えてくれたひかる、土壇場で漢を見せたプルンスのトスからの、「奇跡は二度も起こらんさ!」というカッパードさんの高いブロック。ここで決めなきゃ女が廃る!と遂にララちゃんは確率の向こうに決意の一歩を踏み出します。

「私も守る!私の力でフワを守る!!」強い想いは光となって、彼女に祝福の羽を与える。さあ遠からんものは音にも聞け!キュアミルキーの誕生だ!!

ミルキーの変身歌はややテクノ調で宇宙人ぽかったですね。(小並感)

雷属性の遠隔攻撃とは…。強キャラだ…。とか思っていたら必殺技で極太ジオダイン撃っててちょっと笑いました。格ゲーにいたら絶対強いですよ。

カッパードさんはイケボで「水浴び後に電気は効くぜ…。」とか言いながら帰ってて面白かったです。いちいち行動がおかしくてずるいよあの人(河童)…。

・二人のプリキュア

無事にかっぱさんを撃退し、二人になったプリキュア。ここできちんとララちゃんがひかるちゃんから貰ったものに自覚的なのが良いですね。

「あなたが先にプリキュアになって、わたしを引っ張ってくれたから」そうお礼するララちゃん、笑い合う二人。良かったねぇ…。

とはいえ今回は噛み合ったものの、基本的にノリちぐはぐで正確真逆な二人。さっそく来週は恒例の解散!?回みたいですね。

ホントきれいに対照なキャラの造りをしてますから、まぁ衝突は必然だと思います。もっと喧嘩して、ぶつかり合って、少しずつ互いの形が分かって行くんだろうし、まずは「わたしとあなたは違うんだね」と認め合うあたりから始めるのでしょうか。

ひかるちゃんとララちゃんの造形がぐっと深まった今話を受けて、次回は黄色プリキュアもチラ見せの予感。私は健気な大家族の長女キャラとかそういうストレートに弱いので、彼女の個人回は感想もおぼつかなくなりそうな気配をひしひしと感じております。どんな子かなぁ。スタプリ、これからも楽しみですね。

・おまけ

何故か今週EDの惑星直列のシーンに「星だって真っ直ぐに繋がる時があるんだ!異星人くらいなんてことないさ!」という謎の強力なメッセージを感じた気がしました。

その真中にひかるちゃんドーン!な構図も相まってなんか気圧されてしまいます。ようはあのシーン多分好きなんですね私。